さて、昨日に引き続き、「平成27年度証券検査基本方針及び証券検査基本計画」
について考えていきたいと思います。

今年度の「証券検査基本方針」の特徴として、「2.証券検査における検証事項」の中で、
「業態」ごとの重点検証事項が明記されたことが挙げられます。
今回は、ご相談の多い「第二種金融商品取引業者」の項目を確認してみましょう。

第二種金融商品取引業者(ファンド業者)向けの重点検査事項については、
「分別管理」「虚偽表示」「無登録業者」「名義貸し」「海外ファンド」
「適合性の原則」「顧客勧誘」・・・
ここ数年の検査結果や行政処分事例の<流行キーワード>がたくさん並んでいます。

特に、ファンド業者といえば・・・「分別管理」が最重要ですね。

金融商品取引法第40条の3では、
「分別管理が確保されていない場合の売買等の禁止」が定められており、
例えば、集団投資スキーム持分に関し出資された出資金を、
ファンド業者の固有財産その他同社の行う他の事業に係る財産と区別して
管理することが求められています。

具体的には、銀行口座別に分別管理を行っているファンド業者が多く、
業務方法書内にも、以下の定めを設けていることが多いかと思います。

「銀行等金融機関に専用の口座を開設し、当該口座への預金等により行い、
当社の帳簿等により各顧客の預託額が直ちに判別できるよう管理するものとする。」

分別管理の重要性を理解している(分別管理ができていると思っている)ファンド業者さんでも、
例えば、【営業者の固有財産とファンド資金とが同一口座で管理】
されてしまっていたり
【どのファンド持分に出資された金銭であるかが管理している
預貯金口座では名義上明らかでなかった】等で、
結果的に、不適切な管理実態となってしまっていたりするケースも多いので、注意が必要です。

といっても、銀行の口座開設基準も年々厳しくなり、
「口座を分けて分別管理をしたくてもできない・・・」というご相談も多くなっています。

お困りの際は、是非弊社にご相談ください!